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盲目の光物理学者,Mathematica を使って技術的研究

「私が Mathematica を使って経験したことと私の成功が,技術的な職業に就きたいと考えている他の盲目の人たちの励みになることを願っています.」

Chuck Strickland教授は上級政府機関で働く光物理学者です.彼は宇宙望遠鏡の光学系を設計するために使われるアルゴリズムを開発・テストするために Mathematica を使っています.また,彼は盲目でもあります.

物理学者になって宇宙計画に携わることがStrickland教授にとって大きな目標となったのは,彼が9歳の頃です.盲目であるということで,彼は自分が効率的に技術的な仕事の道に進むためにはコンピュータについてできる限りの知識を得なくてはならないということに気付いていました.Strickland教授は盲目の人のために設計された特別の入出力デバイス付きのコンピュータを使用することができます.これらのデバイスの1つが電子のノートパッドと表示デバイスで,これを使って彼は「更新可能な点字」で書いたり確認したりすることができます.もう1つは,振動ピンを使った触覚ディスプレイに接続された小さなカメラです.基本的にこれらのピンは,振動することによって彼が絵を感じることを可能にしてくれます.

Strickland教授はSouthwest Texas State Universityで物理学の修士号を取るために勉強しているときに Mathematica を使い始めました.Strickland教授の修士課程には一般相対性理論に関するクラスが含まれていて,彼は授業関係の研究と個人的な研究の両方に Mathematica を使いました.「Mathematica 言語のシンタックスとコマンド構文はとても学びやすかったので,学ぶのはそんなに大変ではありませんでした」とStrickland教授は言います.

カリフォルニア大学リバーサイド校の博士課程に在学中にStrickland教授は Mathematica を使って量子力学から葉序研究までさまざまな科目を勉強しました.後にTruman State Universityの物理学の教授として,彼は生徒たちにうなり周波数を見せるために特定の音を再生する Mathematica ルーチンを作成しました.

技術文書が簡単に書けるようにするために,Strickland教授は点字をリッチテキストに変換する Mathematica プログラムを開発しました.彼は点字を電子ノートパッド付きのコンピュータに入力し内部メモリに点字を保存します.ノートパッドの電子表示のおかげでStrickland教授は点字を編集したり読み直したりすることができます.満足する文章が完成すると,Strickland教授は電子点字をコンピュータに転送し,そこで Mathematica プログラムを使って点字からリッチテキストに変換します.リッチテキストはワードプロセッサを使って操作することができるようになります.Strickland教授は特定の文字列を方程式あるいは他のグラフィックスで置き換える Mathematica 手続きも書いています.

光物理学者としては,Strickland教授は光学系設計の予備段階で現在 Mathematica を使っています.このような初期の段階では,理論的なモデルをシミュレーションする方が物理的なモデルを構築するよりもずっと速くコスト効率も良くなります.Mathematica を使ってStrickland教授は光学系のレンズ,鏡,プリズム,回折格子を通した1つあるいは2つの光線だけを透写する大変基礎的な理論モデルを構築しています.「Mathematica が設計の微妙な部分を見せてくれるんです」とStrickland教授は語っています.

Strickland教授のこれまでたどってきた道は決して典型的なものとは言えませんが,テクノロジーによって,もっと多くの人たちが将来彼の後に続くことができると彼は信じています.彼自身の言葉を引用すると「私が Mathematica を使って経験したことと私の成功が,技術的な職業に就きたいと考えている他の盲目の人たちの励みになることを願っています.」

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