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南アフリカのNational Disaster Atlas,webMathematica テクノロジーを使って壊滅的な災害に立ち向かう

南アフリカは旱魃,洪水,飢饉などの災害に頻繁に見舞われます.そのような天災時には通常,救助物資が被災地に提供されますが,これらの物資は行政機関がいつどこで災害が起るかということを予期できる場合にしか役立ちません.

南アフリカの国立災害管理センターのシステムのインテグレーターとコーディネーターであるDusan Sakulski氏は,自然災害の時間,場所,強さの予測を支援するwebMathematica に基づいたアプリケーションを開発しました.National Disaster Hazard and Vulnerability Atlasと名付けられたプログラム(以下,「地図帳」という)はすでに国連とNASAからサポートを得ています.この2つの機関は世界中の気候データをまとめる拡大版のGlobal Atlasを作ろうと呼びかけています.地図帳は教育においても役立つツールとなっています.南アフリカのウィットウォータースランド大学とアメリカのバージニア大学がどちらもそれぞれの災害管理と予防のコースの中にこの地図帳を取り入れています.

Sakulski氏はこの地図帳を「旱魃,洪水,飢饉,サイクロン等のトピックについての章があるインタラクティブなバーチャルブック」であると言っています.地図帳は,歴史的な天気のパターンを表すカスタマイズされた地図とその他のグラフィックスを生成します.手で行うと何時間もかかるデータ評価がこの地図帳ではたったの数秒間で行えます.Sakulski氏は「計算は Mathematica を使って行うので結果はいつも一定で信頼性のあるものとなっています」と語っています.

地図帳によって作成されたグラフィックスは,定期的に災害援助が必要な地域を特定し,将来どの地域が援助を必要とするようになるかを予測するために使われます.潜在的に危険な地域が特定されると,災害管理職員は事態が現実となった場合を仮定し,それぞれの事態に対する戦略的な対応案を作成します.「実際の災害が起ったときに,もっとも似たシナリオを再度実行して災害の影響を最小限に食い止めることができる情報を得ることが我々のねらいです」とSakulski氏は語ります.

Sakulski氏に言わせると,webMathematica は「本当に最高です.」Webブラウザだけを使って,誰でも地図帳にアクセスし,データを集めてまとめたり,地理的な地図を作成したり,「すぐに」環境システムのモデルを実行したりすることができます.webMathematica の特に大切なもう1つの機能は基本的に地図帳のコアを形成する多量のデータを処理することができる点です.「webMathematica を使うことによって,地図帳は災害のための計画に必要な時間と労力を最小限にし,過去の災害救済プログラムを妨げた連携の問題の多くを解決しました」とSakulski氏は語っています.

地図帳はデータの型や量等のユーザが特定するパラメータを取り込むことによって機能します.例えば,地図帳の降雨セクションは,任意の時間範囲における月ごとの平均分布あるいは年ごとの平均分布を提供します.地下水のセクションではユーザが地下水のレベル,川床,その他の地理的特徴を別々あるいは任意に混合して南アフリカの地図上に見ることができるようになっています.いったんパラメータが設定されると,地図帳はそのパラメータをwebMathematica に渡します.そこでパラメータは要求された特定の地図やグラフを生成するのに使用され,その後ユーザが結果を見たり,印刷したり,保存したりできるWebブラウザに再び渡されます.

Sakulski氏にとってこの地図帳はまだ未完成で開発中の作品です.webMathematica アプリケーションの柔軟な構造により,必要となったときにデータや新しい機能を加えることが簡単にできます.「結局のところ,記号的機能と数字的機能をシームレスに統合することができる技術的環境は Mathematica 以外にはありません」とSakulski氏は語っています.現在Sakulski氏はNASAと国連が求めるGlobal Atlasに取り掛かり始めたところです.両組織からSakulski氏は彼の地図帳機能についてデモを行うために招待を受けています.また両組織とも彼が最初のGlobal Atlasの「章」である世界の降水量を追跡するアプリケーションを開発することをサポートしています.



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