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Mathematica,17歳の生徒を「Junior Nobel Prize」コンテストで助ける

来週40人のアメリカの将来の科学者たちがワシントンDCに行き,「Junior Nobel Prize」とよく呼ばれるコンテストであるIntel Science Talent Searchの決勝に臨みます.彼らは独自の研究プロジェクトの結果を発表しますが,それらの研究の多くに Mathematica が使用されています.昨年Stuyvesant High Schoolの最高学年であった当時17歳のVarun Narendraは,その40人の生徒たちの1人でした.

Narendraは Mathematica を使って遺伝性疾患であるゴーシェ病の治療を助けるモデルを作成しました.ゴーシェ病患者には脂肪細胞を正しく代謝させる酵素補充療法が必要です.この療法は多くの場合効果的ですが,解決策ではありません.生涯治療にかかる費用は1年に30万ドル以上になることもあるため,Narendraは各患者にとって最適な酵素の服用量を調べる方法を見付けたいと考えました.

NarendraはStuyvesant High Schoolの学生のためにニューヨーク市のHunter Collegeが提供した放課後のプログラムで Mathematica の使い方を学びました.そのクラスではプログラミング言語としてというよりも計算ツールとしての Mathematica に焦点が当てられていましたが,「このクラスを取っただけでも言語の一般的なアイデアを十分に得ることができたので,自分の学習にそれを応用することができました」とNarendraは語っています.

ゴーシェ病は,脂肪細胞,つまり糖脂質を保存する酵素の突然変異によって引き起されます.この突然変異によって酵素の活動力が減少し,白血球細胞の1種である患者のマクロファージ細胞に糖脂質が集積してしまいます.マクロファージ細胞がうっ血した状態になると,この細胞はゴーシェ細胞と呼ばれます.Narendraが研究した1型ゴーシェ病では,体内組織,特に脾臓に,ゴーシェ細胞が集積して痛みを伴う腫脹を引き起します.脾臓の炎症は,肝臓や間接組織の腫脹,肺の圧迫,骨の異常,貧血症等の合併症をさらに引き起すこともあります.酵素補充療法は,糖脂質を代謝させるのに使用できる酵素の量を増やすことによって働きます.この方法によって,糖脂質が体内組織に集積し損傷を与えることを防ぎます.

Narendraは225の血液サンプルを分析して酵素活性のレベルを調べました.彼は,蛍光マーカーで印を付けた患者の血清に酵素が反応するようにしました.酵素が血清に反応すると,蛍光マーカーは細胞から切り離されます.一定時間反応を継続させてから,Narendraは蛍光光度計を使って発散された蛍光の量を測りました.これによって反応を完了させるのにどのぐらいの量の酵素が必要であるかが分かりました.

それぞれの患者の血液サンプルに加えられる酵素の量を変えることによって,Narendraは Mathematica を使って血液細胞内で起る関連反応のすべてを数学的に表示する方法を開発することができました.プログラム内のループをコード化することによって,彼は時間の経過と細胞内の反応を示すモデルを作成しました.「さまざまな治療案と時間とともに糖脂質のレベルがどのように変化するかの関係を調べることによって,どの治療案が最もコスト効率がよいものであるかが分かります」とNarendraは言います.

現在ハーバード大学在学中のNarendraは天文学と天体物理学を専攻する予定です.彼は現在キャンパス内での研究の機会を探しているところで,「将来いずれはゴーシェについての研究を再開したいと思っていますが,他に興味がある部分についても探求してみたいと思っています」と語っています.



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