セルンの科学者,Mathematica を使って「クォークグルーオンプラズマ」という,新しい物質状態を生成

「セルンで開発された Mathematica パッケージのBeamOpticsは,PS部門のABS活動の初めからABSプロジェクトに大きく貢献してきました.」

スイスのジュネーブにあるヨーロッパ合同原子核研究機関(European Organization for Nuclear Research,通称セルン(CERN))の科学者たちは,最近,宇宙の初期進化についての更なる洞察を可能にすると信じる「クォークグルーオンプラズマ(quark-gluon plasma)」と呼ばれる新たな物質の状態を作りました.この物質状態は多くの物質の基になっている最も小さな構成要素であるクォークと,クォーク間に働く力と関連する粒子のグルーオンが束縛されず自由に動き回っているもので,理論的にはビッグバン後10マイクロ秒間この状態が存在しました.宇宙が膨張し冷却するにつれ,プラズマが圧縮されて私達が今日認識する複合核粒子(例:陽子,中性子)になりました.

1994年にセルンの研究者たちがこの理論の証明に乗り出し,クォークをバラバラにするためにビッグバン直後の状態を再現し,システムが冷却するにつれてこのクォークが複雑な粒子に変化していく様子を観察しようとしました.この実験の一環として,焦点をきつく絞った高エネルギーの鉛イオン光線がターゲットに照射されました.セルンの陽子シンクロトン(PS)粒子加速器コンプレックスで,イオンは休眠状態から中間エネルギーの状態まで急速に活性化され,スーパー陽子シンクロトン(SPS)でさらに最終エネルギーの状態にまで加速されてから,7つの異なった実験検知器内のターゲットに向けて発射されました.衝突により太陽の中心部の10万倍の温度と通常の核物質の20倍のエネルギー密度が生成されました.

セルンのAutomated Beam Steering and Shaping (ABS)プロジェクトのリーダーであるMats Lindroos氏によると,この実験で Mathematica は加速器制御の分析面で,またオンラインのABSソフトウェアの一部として頻繁に使われたということです.ABSの指定には,加速器制御室のオペレータが軌道・作業点その他の指定の修正に知的ツールとして使ったアルゴリズム,ソフトウェアパッケージ,システムの全形式が含まれます.

加速の第1段階では,光線の軌道はABSシステムを使ってオンラインで制御されます.ABSシステムは,荷電粒子光学理論に関する古典的な全関数を含む Mathematica のアプリケーションであるBeamOpticsで決定された事前計算による補正行列を使います.Lindroos氏によると,「セルンで開発された Mathematica パッケージのBeamOpticsは,PS部門のABS活動の初めからABSプロジェクトに大きく貢献してきた」ということです.

ABSシステムは,Mathematica でコードされたMICADOと呼ばれるアルゴリスムを使って軌道の誤差を最小にする最適化ツールも呼び出します.補正行列と関数が与えられるとMICADOは関数における誤差を最小化する補正子についての値を計算します.出力は各補正子が誤差の最小化にどのように役立つかを視覚的に表示します.グラフィカルユーザインターフェースは MathLink でアルゴリズムと連絡しています.

「Little Bang」およびセルンの重イオンプログラムについてのより詳しい情報はセルンのWebサイトhttp://public.web.cern.ch/Public/Welcome.htmlでご覧ください.

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