Wolframテクノロジーを使い始めませんか.弊社とともにお客様のプロジェクトに計算の専門性を適用してみませんか.
ご質問やコメントは電話1-800-WOLFRAM(アメリカ国内のみ)または電子メールでお寄せください.
津波は,特に海岸沿いの町にとって非常に破壊的な惨事となる可能性をはらんでいます.さらに悪いことに,津波は前触れもなくやってくるため,警報が間に合うことはほとんどありません.津波が海岸に打ちつけると,波は海抜100メートルにも上がることがあります.しかし,津波は海底下の地震により起り,外洋でほんの数センチの高さの波から始まります.このような小さな波は,空からも船からも探知できません.幸いにも,米国海洋大気庁の海洋学者がこの現象について研究中で,そのプロセスでMathematicaが非常に役に立っているということです.
シグマソリューションズ社のコンピュータ科学者であり海洋学者でもあるEd Boss氏によると,Mathematicaの複雑な記号計算が扱える機能は,手では解けないような問題を解く助けとなっているということです.したがってMathematicaは,現在では太平洋の海底の至るところに配置されている,津波追跡用の海底圧力記録計のトランスデューサの正確さを数値化することにおいて,重要な役割を果たしました.Boss氏は「結果を見ると,私たちが作った装置で1ミリメートル未満の海面変化も記録できることが分かります」と言っています.
Mathematicaは,波が岸に近付くにつれてどのように大きくなり変化するかを示すモデルの作成にも役立ちました.このようなモデルは,将来リアルタイムの警報システムに統合することができるかもしれません.海洋大気庁のエンジニアは現在,衛星を介してデータをインターネットに送信するリアルタイムの海底圧計測器を設計しています.「Mathematicaで開発したモデルにより,波動の物理的過程がよりよく理解できるようになります.私たちはこの情報を使って,どのような種類の地震もしくはその他の地殻変動が最も津波を発生させやすいかを調べたいと思っています.私たちの研究は,生命を救うだけでなく災害に対する準備活動を改善することを目的としています」とBoss氏は述べています.