Mathematica の豊かなパラダイムの上に構築されたバージョン10には,Mathematica の領域を拡張するだけでなく,既存の使用パターンの多くを合理化し,より効率的にする新しいアイディアが多数含まれています.
Mathematica でこれまでできなかった複数回のやり直しが可能になりました.
入力行を編集すると,対応する出力が灰色になり,入力とは関係がなくなったことを示します.
関数をタイプすると,その関数のヘルプがすぐにクリックして見られます.
Ctrl + =を使うと,実体名等が自然言語で入力できます.
セルの中にコンテンツをタイプする前にTabを押すだけで,セクションからサブセクション等へと移動することができます.
実体名や特性等が関数で現れたときに,それを自動補完します.
フォント,プロットテーマ,スタイル等が視覚的にプレビューできます.
タイプし始めるだけで,経験則がコード,テキスト,文字列,他のセルの作成を提案します.
システムに深く統合した,非常に効率的なキーと値の連想<| ... |>を導入しました.
関係データや階層型の構造データを扱う新しい方法を導入しました.
国,化学物質,映画等のすべてに対する組込みの記号的実体があります.
式の一部を完全に非アクティブにして,形式操作やコード変換等を実行することができます.
大規模な幾何学系の一部として,一様に任意の幾何学領域を表現し使用することができるようになりました.
Select[criterion][list]はSelect[list, criterion]とも表せます.他の多数の関数にも演算子形式があります.
キーと値のペアの他,規則のリストも扱う多数の関数.
FirstPosition,FirstCase,SelectFirst:最初の部分をチェックして選ぶ必要がなくなりました.
PositionIndex,Count等:連想として与えられる位置,数等.
Associationに使えるものは,意味が矛盾しない限り規則のリストにも使えます.
キーと値の連想:例えば<|a->1, b->2|>等があります.
#xはPart[#, "x"]のことですが,連想からの値を使いやすくしています.
難しい関数型プログラミングを行うのがどんどん簡単になります.
テンプレートから文字列を生成することが非常に簡単になりました.
ノートブックプログラミングよりずっと簡単です.テンプレートを使うだけでドキュメントが生成できます.
HTMLに特殊タグを少し付けるだけで,パワフルな計算可能テンプレートができます.
ノートブック生成用テンプレートが,ノートブックを作成するのと同じくらい簡単に作れます.
Pluralizeを使ってテンプレートを作成すると,必要に応じて単語が複数形になります.
天文計算がすぐにできます.
地球上(あるいは月面等)のあらゆる点を表現する方法が組み込まれています.
LocalTimeと時刻帯の新しい扱い方.
時系列がシステムの中核の一部となりました.
地理計算,地球上のあらゆる場所の地図,そしてそれ以上のものが含まれています.
マンデルブロ集合とジュリア集合を計算し可視化するための効率的な関数が含まれました.
ランダム過程とモデリングの完全フレームワークに新たに加えられました.
DSolve,Integrate,Interpolate等多くの関数で単位付きの数量が扱えるようになりました.
数学コードをこれまで以上に便利に読みやすくする関数が加わりました.
Inactiveを使うと,数式が非アクティブのままなので操作や表示等に便利です.
図形の面積,体積,距離等のすべてが組み込まれ,記号的です.
あらゆる種類の関数に対する領域と範囲(周期)の完全な記号的表記が可能になりました.
厳密な整方程式系を簡約し解くことがより高速になりました.
新しい「関数テレスコーピング」アルゴリズムにより,実行可能な和と積の範囲が格段に広がりました.
整方程式系を数値的に解く,新しく重要なアルゴリズムが加わりました.
新アルゴリズムにより,高次元の最近傍探索がより高速になりました.
コアとなるデータ構造の最適化により,メモリ使用量が2倍以上削減されました.
千点以上を含む巡回セールスマン問題が簡単に解けるようになりました.
遅延および離散事象を伴う常微分方程式が,初めて記号的に解けるようになりました.
カーネルが共有ライブラリとして実行できるようになったので,複数カーネルを実行するために必要なコードスペースが削減されました.
可視化のデザインが一新され,より見やすくなりました.
すべての可視化で,プロットテーマを以前の外観に設定することもできます.
RGBColor[1,.7,.8]等がスウォッチとして表示されるので,どのような色かすぐに分かります.
凡例作成のための自動化アルゴリズムでは,必要に応じて数量や単位を含めることもできます.
InterpolatingFunction,NearestFunction,
InputStream等がドリルダウンを含む一貫した形式で表示されるようになりました.
Minimal,Web,Business,Scientific,Sparkline等のテーマのいずれかを選ぶと,自動的にグラフィックスオプションが設定されます.
出力を自動的に複数(不規則)列にフォーマットします.
はもちろんのこと,も加わりました.
符号化,復号化,短縮化,関数のような呼出し等,あらゆる種類のURL操作が可能です.
タッチスクリーン用のTouchPosition.
外部プロセスを開始し,それと繰り返しI/Oを実行することができます.
どのプログラムの中からでもツイートしたりステータスを更新したりできます.
LibraryLink からDLLへ画像や疎配列等を送ったり,送り返されたりすることができます.
ReadString,ReadLine等は,まさに低レベル文字列の入出力のためのものです.
コンピュータで使われるさまざまな種類のカメラ接続をよりよくサポートできるようになりました.
DatabaseLink に新しいドライバが加わり,より合理化されました.
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