昇降圧コンバータ
昇降圧コンバータは電圧を低レベルから高レベルに上昇させる場合と高レベルから低レベルに下降させる場合の両方に使われます.昇降圧コンバータは電池で動くもの等,時間の経過とともに供給電圧が変化するものに見られます.
モデル
昇降圧コンバータは2つのスイッチ(通常ダイオードとトランジスタ),インダクタ,直流電圧を低レベルから高レベルに変換したりその逆を行ったりするためのコンデンサを使うスイッチング電源コンバータです.スイッチがオンのとき電流はインダクタを通過しそこでエネルギーを増加します.スイッチがオフのとき,インダクタ電流は負荷とダイオードを通過します.出力電圧を平坦化するためにフィルタコンデンサを加えます.

System Modelerの標準コンポーネントで作成された昇降圧コンバータのモデル
稼働とデューティー比

スイッチがオンになるとインダクタは帯電しコンデンサは負荷を与える.

スイッチがオフのときはインダクタはコンデンサとともに負荷を与える.
電圧変換率の関係
は
で与えられます.ここでデューティー比
は1つのサイクルでスイッチがオンである時間の割合です.ゼロでは常にオフ,1では常にオンということです.
が0.5未満の場合,コンバータは電圧を下げ0.5を超えるとコンバータは電圧を上げます.

デューティー比
が0.6では電圧は24ボルトから36ボルトに上昇する.


デューティー比
が0.4では電圧は24ボルトから16ボルトに下降する.

不連続モードの検出
出力負荷が一定の閾値を下回ると,インダクタ電流はそのスイッチングサイクル中はゼロになります.それからコンバータは不連続モード(DCM)に入ります.デューティー比がDCMの間に変わらなければ,出力電圧は危険なほどの高レベルに上昇しコンポーネントの応力や摩耗が増加します.ここではWolfram言語を使ってDCMを検出します.

DCMでは電流はスイッチングサイクル内でゼロになる.
Wolfram言語でシミュレーション結果を解析
ダウンロード可能な例で,DCMの時間や電圧リップル等のさまざまな測定基準が計算できます.
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