温度の状態推定器のロバスト性を評価する
このモデルは電気ラジエータからの測定値を取り,状態推定器のロバスト性を解析します.状態推定器は現在のラジエータの温度を推定するために,さまざまな測定値とシステムのモデルを融合させます.ロバスト性を評価するためにModelica.Noiseライブラリのブロックを使ってノイズを加えます.
モデル
モデルには、24V電圧源で駆動される小型の電気ラジエータが含まれています.ラジエータ要素はラジエータ本体を加熱します.ラジエータの温度は,シミュレーション中に上昇する周囲温度の影響も受けます.ラジエータ電圧,周囲温度,ラジエータ温度の直接測定の3つの測定値を継続的に取得します.Noiseライブラリを使用して,各測定値にホワイトノイズを追加します.ノイズのある測定値はすべて,ラジエータ温度を推定するカルマンフィルタに送られます.

図の上部には状態推定器があり,中央の熱コンデンサの温度を推定する.
新しいライブラリ!
新しい組込みのNoiseライブラリは,シミュレーションにノイズを加えることによって現実感を与えます.
カルマンフィルタ推定器は,関数WSMLinearizeを使用してノイズのないモデルを線形化することによって作成されました.次に,Wolfram言語に組み込まれている一連の信号処理関数が使用されました.
ノイズの分布
ノイズ分布の期待値と標準偏差はモデル内で変更できます.カルマンフィルタは,モデル内のノイズ分布の標準値が正しいと仮定して作成されました.モデル内のノイズやその他のパラメータを増やすと,フィルターがモデリングエラーに対してどの程度ロバストであるかが確認できます.

Wolfram言語を使って作成した,さまざまな測定値に対するノイズ分布のプロット
Wolfram言語における可視化
Wolfram言語の組込み関数によって,確率密度プロットがすぐに作成できます.
モデルをシミュレーションを行うときに,推定温度が実際の温度とどの程度一致しているかを比較することができます.推定器は動的であり,フィルタに提供される測定データが増えるにつれて更新されます.これにより,推定器は実際の状態に収束します.

ラジエータ上で直接温度を測定すると,ノイズが非常に多くなる.

状態推定器を使うと,温度を正確に推定することができる.
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