概要ボックスの保存を制御する
Wolframノートブックの重要な機能の一つに,評価のタイプセット出力を入力として使えることがある.式の中には, SparseArray,TimeSeries,InterpolatingFunction等のように,概要ボックスとしてタイプセットすることができるものもある.概要ボックスは,関数名を,その式の主要な特性の概要と共に表示する.非常に大きな式の場合には,転送スピードを速め,ノートブックのファイルサイズを小さくするために,通常概要ボックスに完全な式は含まれない.しかしそうすると,概要ボックスは入力としては不適当であるということになる.バージョン12では,この問題に対処する方法が導入された.
SparseArrayは,タイプセット出力に概要ボックスを使う数多くの関数の一つである.
この出力は,配列を完全に表すものであるので,下の入力にコピーして使うことができる.
$SummaryBoxDataSizeLimitよりも大きい式は,完全な式を含まない.
不完全な概要ボックスに,オンデマンドで完全な式を埋め込むことができるボタンが含まれるようになった.不完全なオブジェクトは,関数ラッパーのテキストを灰色で表示する.
不完全な概要ボックスを入力で使おうとすると,シンタックスエラーが起る.

概要ボックスを作成したセッションと同じカーネルセッションを使っている場合には,「今すぐ保存する」ボタンをクリックすると,完全な式が埋め込まれる.