降圧コンバータ
リニアのDC-DCレギュレータを使用することは,直流電源の電圧を下げる最も簡単な方法の一つです.しかし,リニアレギュレータは余分な電力を熱に変換することで機能するため,非常に効率が悪く,多くのアプリケーションで使用するには不便です.DC電圧を下げる一般的な代替手段は,降圧コンバータを使用することです.降圧コンバータは,コンピューターの主電圧をプロセッサで使用できる低いレベルに変換する等,多数のアプリケーションで使用されています.
モデル
降圧コンバータは,2つのスイッチ(通常はダイオードとトランジスタ),インダクタ,コンデンサを使用して直流電圧を高レベルから低レベルに変換するスイッチング 電源です.スイッチがオフになると、インダクタ電流はダイオードを自由に通過します.スイッチがオンになるとインダクタ電流が増加し,ダイオードを通過しません. この例では,24Vの供給電圧(Vin)を12Vの出力電圧(Vout)に変換する場合の降圧コンバータと単純な(リニア)ツェナーレギュレータの効率の違いを調べます.
シミュレーション結果
降圧コンバータとツェナーレギュレータはどちらも12Vの出力電圧と1Aの負荷電流を生成します.ただし,降圧コンバータによって発生するリップル効果があります.出力リップルは,スイッチング電源を使用する際の主な欠点の一つです.

出力電圧.挿入図は出力電圧リップルを示している.

負荷電流
降圧コンバータは出力電圧リップルの影響を受けますが,抵抗損失で無駄になるエネルギーがほとんどないため,リニアレギュレータよりもはるかに効率的です.この特定のケースでは,降圧コンバータは理想的な電源スイッチとインダクタを使用してモデル化されているため,効率はやや非現実的です.しかし,非理想性を考慮しても降圧コンバータは95%以上の効率を達成することができます.

降圧コンバータとツェナーレギュレータ回路の効率は,電圧源によって提供される入力エネルギーと負荷における出力エネルギーの比率として表示される.ご覧の通り,ツェナーレギュレータ回路の入力エネルギーの約50%が熱として失われるが,降圧コンバータの効率はほぼ100%に達する.
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