WOLFRAM

スリップリングローターを使った非同期誘導電動機

産業用誘導電動機を始動する場合、高い始動電流によって電動機の巻線が損傷するのを防ぐために,さまざまな方法が使われることがよくあります.ここではそのような方法の一つとして,可変抵抗器に接続されたスリップリングローターを使用する方法について説明します.

AIMSモデル

解析にはModelica.Electrical.Machinesライブラリで定義されているスリップリング付き非同期誘導電動機(AIMS)モデルを使用します.回転電気機器と静止電気機器の接続を可能にするスリップリングは,電動機が速度を上げた後すぐに短くなる可変抵抗器に接続されます.モデルのシミュレーションは,スリップリングを使用しない誘導電動機の一種である非同期リスケージ誘導電動機(AIMC)のシミュレーションと比較します.

Wolfram System Modelerのダイアグラム ビューに表示されるAIMSモデル.AIMCモデルは,可変抵抗器の使用を除いてまったく同じように設定されている.

シミュレーション結果

以下のプロットから分かるように,AIMSを使ったときの方がずっと低い電流になります.このことは,ローター回路に追加された抵抗によって説明することができます.追加の抵抗は,ローターと固定子の両方の電流を低くします.

2つのモーターを始動するときに消費される電流
モーター速度.可変抵抗器が短くなるとAIMSは公称速度に達する.

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Wolfram System Modelerでスリップリングローターを備えた非同期誘導機のモデルを構築します.