ユニバーサル極心平射図法とユニバーサル横メルカトル図法
投影法のUTM(ユニバーサル横メルカトル)図法ファミリはアプリケーションで広く使われる.バージョン11ではUTM図法は北ゾーンおよび南ゾーンの投影を含んでおり,通常よく見られる負の偏北距離を使わずに済んでいる.UTM図法は極点には届かないため,通常2つのUPS(ユニバーサル極心平射)図法で補われる.これらもバージョン11でサポートされるようになった.
このリストには,60のUTM図法の北ゾーンとそれに対応する60の南ゾーンが含まれるようになった.
In[1]:=

Short[GeoProjectionData["UTMZone"], 3]
Out[1]//Short=

これらは同様に定義されているが,格子の原点が異なる.
In[2]:=

GeoProjectionData["UTMZone34"]
Out[2]=

In[3]:=

GeoProjectionData["UTMZone34South"]
Out[3]=

次はUPS図法の北ゾーンの2つのゾーンである.
In[4]:=

GeoProjectionData["UPSZone"]
Out[4]=

これらはユニバーサル極心平射図法で定義される.
In[5]:=

GeoProjectionData["UPSNorth"]
Out[5]=

In[6]:=

GeoProjectionData["UPSSouth"]
Out[6]=

アメリカ国家地球空間情報局の標準化文書NGA.SIG.0012_ 2.0.0_UTMUPSは,アルゴリズムの正確さをチェックするためのさまざまな例を提供している.例えば,UPSの場合はセクション10.2に次のような例がある.
In[7]:=

eg = GeoPosition[{{90, 0}, {89, -179}, {88, -90}, {87, -1}, {86,
0}, {85, 1}, {84, 89}, {83, 90}, {82, 91}, {81, 179}, {80,
180}, {40, 0}, {3, -179}, {2, -90}, {1, -1}, {0, 0}, {-1, 1}, {-2,
90}, {-3, 179}, {-4, 180}}]
Out[7]=

"UPSNorth"投影法を使ってこれらの点を表す.自明でない格子原点パラメータのために,北極は投影された座標の{0, 0}にはないことに注目のこと.
In[8]:=

GeoGraphics[{Red, PointSize[Large], Point[eg]},
GeoProjection -> {"UPSNorth", "Centering" -> {90, 0}},
GeoGridLines -> Automatic, GeoZoomLevel -> 3, Frame -> True]
Out[8]=

次はWolfram言語で得られた数である.この数は標準化文書で与えられたものと一致する.
In[9]:=

NumberForm[Grid[First@GeoGridPosition[eg, "UPSNorth"]], {13, 6},
ExponentFunction -> (Null &)]
Out[9]//NumberForm=
