Mathematica 9の新機能
ランダム過程
Mathematica 9では,ランダム過程に対する幅広いサポートが加わっている.ランダム過程とは,時間の経過に伴って決定的ではなくランダムな形で進化するが,時間的に近い状態は従属するという系をモデル化するものである.分布と同様に,ランダム過程も記号式であり,データからシミュレーションを行ったり推定したりすることができる.任意の時点における過程の値は分布であり,分布として完全に利用することができる.Mathematica 9は,パラメトリック過程,有限マルコフ(Markov)過程,待ち行列過程,時系列過程,確率微分方程式過程等のより大きいグループも含む多数のランダム過程を完全にサポートしている.
- 任意の過程における1つあるいは複数の経路の直接シミュレーション
- 規則的/不規則,スカラー/ベクトル,単独/複数の時系列データをどれでも簡単に操作
- 時系列データから自動的に過程パラメータを推定
- 過程の1つあるいは複数の時間スライスを分布として操作
- 平均,中央値,分散関数等のスライス統計量を直接計算
- 共分散,相関,絶対的相関の関数を直接計算
- ランダム過程を使った,一般的な確率と期待値の計算