WOLFRAM

Gタンパク質共役受容体

現在使われている治療用薬物のうち,約40-50%がいわゆるGタンパク質共役受容体(GPCR)を中心としています.ここではWolfram System ModelerでSBMLのインポート関数を使って,酵母細胞内のGタンパク質共役受容体およびGタンパク質の動作を記述するモデルをインポートします.

Gタンパク質共役受容体

Gタンパク質共役受容体ファミリーに属するロドプシンの3D構造.Park, J.H., Morizumi, T., Li, Y. et al., "Opsin, a Structural Model for Olfactory Receptors?" Angewandte Chemie International Edition, 52(42) 2013 pp. 11021-1102.(Mathematicaで作成).

新しい薬剤標的を探す場合,Gタンパク質共役受容体の経路を理解することが大切です.以下のモデルは,Wolfram System ModelerのSBMLインポート関数を使ってBioModels Databaseからインポートしたもので,酵母細胞におけるこれらの受容体の動作を表しています.

左のモデルダイアグラムは酵母細胞の細胞膜に入っているGタンパク質共役受容体の活性化および不活性化を表す.右のモデルダイアグラムは細胞内部のシグナル伝達経路の一部を描写している.

シミュレーション結果

MathematicaとSystem Modelerを接続することで使える便利な機能に,モデルの感度解析があります.この例でどの反応が細胞応答に最も影響を与えるかを調べたい場合に便利です.

主なパラメータについてモデルの感度解析を行うことによって,Gタンパク質の活性化,受容体分解,シグナルの劣化は細胞の応答に大きな影響を及ぼすため,潜在的な薬剤標的を表すことが分かる.

生命科学のモデリングとSBMLのインポート

BioChemライブラリとSBMLのインポート関数を使って,Gタンパク質共役受容体を調べます.