WOLFRAM

世界のモデル化

世界モデルはシステムダイナミクス手法における最も有名なアプリケーションの一つです.ここではSystem Dynamicsライブラリを使って実装します.

モデルの概要

世界のモデル化
トップレベルのモデルダイアグラムには13のサブモデルが含まれ,人間の多産性から汚染のダイナミクスまで多岐に及ぶ.このモデルは合計で約300個の変数を含む.

世界の将来を予測する

ここでは1900年から2100年までの人口増加について,もとの予測と大きな政策変更が強制された場合の予測を比較します.政策は(1) 効率化,(2)工業生産高,(3)一家族の子供の数は最大2人まで,というものです.また,この政策が1982年に施行された場合と2012年に施行された場合も比較します.

左のグラフでは,Wolfram|Alphaのデータ妥当性検証がシミュレーションに重ねられている.最後にモデルが更新された日付もハイライトされている.これから分かるように,モデルはこのままだと寿命も総人口も大きく減少することを予測している.政策変更を施行することで全体的な寿命が向上し,最終的に人口曲線は天然資源がサポートできるレベルでより安定した状態に達する.

シミュレーション結果から判断すると,政策変更は人口増加および寿命の両方に大きな影響を与えることが分かります.しかしこれらの変更は長期的な効果があるのでしょうか.今から25世代先までには天然資源は使い果たされているのでしょうか.

見て分かるように,世界の人口は他の2つの場合と同様に減少する.政策変更の一つは一家族の子供は二人までというものなので,この結果は想定通りである.

これはモデルであり,当然モデルは複雑なプロセスの近似なので,予測にはもちろん限界があります.例えばWolfram|Alphaのデータと比較すると分かるように,モデルは人口増加を若干高く見積っています.これらの状況は,他の何も変化することがないことを仮定しているので,例えば天然資源の必要性を軽減する新しいテクノロジーの影響を予測することはできません.

モデリングの過程でWolfram|Alphaを統合

Wolfram|Alphaのデータを使ってモデルの妥当性を検証します.