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動力伝達装置の熱損失をモデル化する方法

実際に車を動かすためには,タンクに入れた燃料の14–26 %しか使われていません.残りのエネルギーはどうなっているのでしょうか.動力伝達装置における熱生成によって失われるエネルギーもあります.この例ではModelica.Mechanics.Rotationalライブラリを使って動力伝達装置の熱損失をモデル化する方法を学びます.

熱損失のモデリング

この動力伝達装置をモデル化するために使われるコンポーネントには,オプショナルのヒートポートがあります.動力伝達装置の失われた力をモデル化するためには,これらの熱ポートを有効にし対流要素を使って環境と接続する必要があります.

有効になったヒートポートは赤い正方形で,対流要素への接続は赤い接続線で示されている.ヒートポートを持つ,つまりこのモデルで動力伝達装置の熱損失の一因となるコンポーネントは,ギア,クラッチ,ダンパ,バネ,ブレーキ,軸受け摩擦である.

どれだけの熱が生成されるか

動力伝達装置モデルでどれだけの熱が生成されるかを見るために,対流と時間の関係のシミュレーションを実行し,プロットを作成します.

動力伝達装置のすべての熱生成コンポーネントからの累積の熱流
個々のコンポーネントがどの程度熱損失の起因となっているか.

ヒートポートの利用

Modelica標準ライブラリのヒートポートを使って,動力伝達装置の熱損失をモデル化します.