WOLFRAM

空調:建物の向きの効果

建物のどのような特性が空調にかかる電力に影響を及ぼすでしょうか.この例では768戸の住宅のデータを使って,ニューラルネトワークを訓練することでそれぞれの家の空調による熱負荷を予測します.このネットを熱モデリングコンポーネントと組み合せて,家の向きによる影響を調べます.

この例を実行するためには以下が必要です.

System ModelerとMathematicaの最新版

どちらかお選びください.

無料評価版を
取得する
ダウンロードを
続行する

データの前処理

密集性,仕上げ,向き等の建物のパラメータに基づく熱負荷の条件を含むデータ集合を使います.このデータ集合はwolfram言語にインポートされてモデルの訓練に適する形に整えられます.

Dataset obtained from A. Tsanas and A. Xifara, "Accurate Quantitative Estimation of Energy Performance of Residential Buildings Using Statistical Machine Learning Tools," Energy and Buildings, 49, pp. 560–567, 2012.

ニューラルネットの訓練

データは訓練用と検証用に分けられます.複数の層からなるニューラルネットが作成され,学習可能なパラメータすべてが初期化されます.

ニューラルネットは訓練データを使って訓練され,検証データに対してテストされる.

SystemModelの作成

訓練されたニューラルネットは他のモデルに接続することのできる入力・出力ブロックに変換されます.

CreateSystemModelは訓練されたNetChainまたはNetGraphを取り,SystemModelを作成する.

建物モデルとの接続

このモデルは,壁,屋根,エアコンからなる1部屋の建物モデルに接続されます.接続されたモデルに外部温度のデータを取り込み,そのエネルギー性能をテストすることができます.

一部屋の建物のモデル

向きの効果を調べる

建物の向きを変更してエアコンで消費される電力を解析します.西向きの建物の電力消費が最も小さく,北向きの建物の電力消費が最も大きくなります.

左のプロットは,北向きの建物の部屋の温度を示す.右のプロットは4つすべての向きの建物でエアコンで消費された累積電力を比較する.

機械学習のワークフロー

Wolfram言語でニューラルネットを訓練することができます.訓練されたネットをシステムモデルに変換して 他の何千ものコンポーネントと接続します.