国立スポーツ科学センターの長尾秀行氏は，スポーツ科学分野におけるバイオメカニクス的分析にMathematicaを活用している．この講演では，ウエイトリフティング競技における身体運動の３次元動作解析，バーベルの軌跡のオートトラッキング，さらに最新の機械学習を用いた分析範囲の同定などを紹介する．

放射性医薬品をトレーサとして用いる医用画像診断法があり，臓器や病変の血流，機能，代謝，神経伝達などを画像化できる．金沢大学 先進予防医学研究科・機能画像人工知能学 教授の中島氏は，この診断には定量が不可欠であり，Mathematicaを診断モデルの作成にも応用できるという

Mathematica 12では，凸最適化ソルバが強化され，入力方法も大幅に改善された．線形，二次，二次錐，半正定値などの種々の最適化問題を一貫した明快な方法で解くことができる．ベクトル不等式の入力から具体的応用例における感度解析まで，Wolfram言語による最適化の流れを俯瞰する．

「Wolfram|Alphaの簡便さ 」と「Mathematicaの動的な計算機能」を統合した Wolfram|Alpha Notebook Editionは，まさに"教育と学習に"適したツールである．簡単な計算からグラフやアニメーション，レポート作成やプレゼンテーションまで，Wolfram|Alpha Notebook Editionのデモンストレーションをご覧ください．

数値誤差のない厳密解を求めて可視化，シミュレーション，3Dプリンタで立体模型の製作まで，Wolfram言語なら，直感的なプログラムで一貫して行える．武蔵野大学の友枝氏は，身の回りの様々な現象数理モデルの研究にWolfram言語のパワーを活用している．(2021年より関西大学）

Mathematica12 では，新しい関数が追加されるだけでなく，インターフェイスや他のプログラミング言語との相互運用性の向上，コアな言語の効率化など様々な改良もされている．今回は，OverViewとして，最適化，幾何学，可視化の新しい機能と，ニューラルネットワーク(VAE,GAN)の例を紹介する．

Wolfram CommunityのFeatured Contributor でもある富士通株式会社の岡崎氏は，Machine learningへのMathematicaの活用について，deep learningによる音楽生成，クローリング・スクレイピングによるデータ収集，紙面上のグラフのデータ化等，Wolfram Communityの活用実践例を紹介する．

Nested samplingアルゴリズムによる”evidence”の計算の実装と，ニューラルネットワークのベイズ推定への応用を紹介する

画像処理や音声処理にも長けたMathematicaでは，画像から音声，また音声から画像への変換を短いWolfram言語プログラムで実装できる．面白法人カヤックの岩淵氏は，数や音声の可視化，幾何学図形の可聴化のほか，フラクタル図形を可聴化するアート活動「フラクタル音楽」について紹介する．

ウルフラムリサーチ データ＆セマンティックエンジニアリング　 シニアデベロッパー 安井紀子

Wolfram|Alphaでは，継続的に様々なデータをWolfram知識ベースに加えて提供している．ここでは，Mathematica10及び11で新たに加えられた生命情報関連データへのアクセス，データの解析，可視化などのデモンストレーションを，主にヒトの解剖学的構造と神経科学情報データを例に紹介する．

Wolfram Languageの時系列データ分析や予測，機械学習の機能は，非常に短いコードと時間で端的に結果を出力する．株式会社シーエムディーラボ代表取締役の尹氏は，FinTech，AIの分野でWolfram Languageのこれらのパワーを存分に活用している．

2012年のWolfram Innovator awardを受賞した関西学院高等部の宮寺氏は，数理科学部の生徒たちとともにMathematicaを活用して数学研究を行っており，国内外の様々な数学コンテストに参加しています.