物理定数の改訂
物理定数は経時的に一定である(と思われている)が,その最もよく知られている値は新たな測定法や実験によって変化する.この例では,ニュートンの定数 とプランク定数 の最もよく知られた値が 2006年以降にどの様に変化したかを見る.
"PhysicalConstant"実体は,以下のニュートンの重力定数 のように,現在の「最良の」(あるいは定義された)値とともに歴史的に測定された値も表にする.
重力定数は,あまり正確には知られていない基本定数の一つである.事実,NISTのMeasuring "Big G" ChallengeのMotivationには「As shown above, we do not understand either the physics behind gravitation, or the physics used in the instruments used to perform these measurements, or both.」(上に示したように,我々は重力の背後にある物理学,あるいはこれらの測定を実行するために使われた機器で使われた物理学,あるいはその両方を理解していない)と記されている.
の測定値が時間の経過とともにどのように向上したかを見てみよう.まず,"Values"特性からさまざまな測定値を抽出し,関連付けられた日付があるものだけを残す.
次に,値を関連付けられた不確かさと組み合せ,測定された値の平均値を引き,エラーバーとラベルを付けてプロットする.
幸いなことに,ここ数年の最新測定値の出現で, の知られている精度が向上した.
プランク定数 の状況ははるかによい.
事実, の測定値は十分正確で,2019年に改訂されたSI単位の一部として,値が(SI単位で測定した場合に)厳密値になった定数の一つに選ばれたほどである.
いわゆる「従来のプランク定数値」 に対する の歴史的な測定値を集めてプロットすると,過去10年間に の実験的な測定値が着実に向上したことがはっきり分かる.
いく分直感に反して, の測定値の精度は2019年のSIの改訂後も向上を続けるのに対し,その値は今後は変更されず,代りにジュールの値が変化することになる.