ドラム型ボイラーの始動を最適化する
電力生成が早急に行われる必要性が高まり，ボイラーもすぐに始動することが求められています．しかしボイラーを急速に加熱しすぎると材料破壊が起こる可能性があるので，注意しなければなりません．この例では，主な動的特性を捉えた非線形ボイラーモデルを使います．
ドラム型ボイラーモデル
非線形のドラム型ボイラーは蒸気出口で給水ポンプ，ヒーター，バルブに接続されます．ボイラー内部の水の氾濫を防ぐためには，給水ポンプを制御して水のレベルが設定通りに維持されるようにする必要があります．
完全なドラムボイラーモデル
起動時間を最適化する
起動時間が短くなるにつれて，ボイラー壁の作用する熱応力は上昇します．灰色の破線曲線は耐えられる熱応力の限界内にはありません．以下のプロットにより，起動は3000秒付近で一番速いことが分かります．
最適化
Wolfram言語を使ってパラメトリック解析を行います．
安全な操作のためには，熱応力の大きさは10未満でなければならない．
最適化された起動時間を使ったシミュレーション
ボイラーは水と蒸気の初期体積で起動します．蒸気出口バルブが開くと，蒸気はボイラーから出て行き給水ポンプから水が送られてきます．ボイラーに熱が加わると，水は蒸気に変換されます．起動後，水の蒸発率は給水の流入と等しくなります．ボイラーから得られる高エンタルピー蒸気はその後タービンの駆動と発電のために使うことができます．
液体の位相変化
ボイラー内で水は蒸気に変換されます．
一番上の青い曲線は水の体積，中のプロットのオレンジ色の曲線は蒸気の体積，一番下のプロットの赤い曲線はヒーターによって加えられた熱の量を表す．
Wolfram System Modeler
評価版
ご購入
System ModelerはWindows，macOS，
Linuxで
日本語と英語でご利用になれます »
ご質問やコメントはWolframエキスパートまでお寄せください »