FITSファイルの検索
バージョン12.0では,"FITS"の実装で画像と表のheader - data units (HDU) が完全にサポートされた.通常FITSファイルには豊富なメタデータが保存されている."FITS"のImportに,ファイルのメタデータにアクセスするための包括的で効率的なサポートが加わった.この例では,メタデータにアクセスする方法の他,ファイルに保存されたメタデータを使ってインスペクタや検索アプリを構築する方法を説明する.
まずメタデータをインポートして,その中に何が保存されているかを調べる.以下は,一般的なメタ情報のもとで利用可能なキーのリストである.
作成者を調べる.
作成日を調べる.
ファイルに保存されテいるデータの次元を調べる.
FITSインポートには"Extensions"あるいは"Dimensions"等の便利な要素も含まれている.
高レベルのインポート要素や,ファイルに保存されている他のメタデータを組み合せて,検索システムを作成する.たとえば,このルーチンは,このファイルがWolfram Researchによって作成されたかどうか,またこのファイルに少なくとも1つの画像HDUが含まれているかどうかをチェックする.最初のHDUは常に「画像」HDUであるが,空のこともある.したがって,次元が0より大きい少なくとも1つの画像を含んでいることを確かめなければならない.
ファイルが非空の画像HDUを持つことをチェックする.
作成者に特定の文字列が含まれているかどうかをチェックする.
組み合せた検証関数を定義し,サンプルファイル上でそれを評価する.
このおもちゃの例(toy example)のコンセプトを使うと,メタデータに基づいてファイルを検索する便利なアプリケーションを簡単に作成することができる.