振り子時計
これまでに古い振り子時計を見て,振り子はどのような働きをしているのだろうか,振り子の後ろにぶら下がっている錘はなぜあるのだろうかと思ったことはありませんか.System Modelerのドラッグアンドドロップ機能を使ってMechanics Modelicaライブラリの標準コンポーネントを接続すると,振り子時計のモデルを作成し内部の仕組みを自分で調べることができます.
振り子時計の原理
振り子の揺れの動きは分岐を押すため,釣合い重りに付いている脱進器を解除します.脱進器が解除されると重力によって錘が引き下げられ脱進器が回り始めます.脱進器の歯には2つの働きがあります.一つは脱進器をその場に留めるというものです.もう一つは分岐面に対して角度があるため,分岐が脱進器を解除したとき,錘から供給されたエネルギーの一部が振り子に伝達されるというものです.これがなければ,振り子は徐々にエネルギーを失い不正確なものになってしまいます.

典型的な振り子時計

振り子時計の内部構造.秒,分,時間の回転動作をスケールするために,3つの異なるサイズの歯車が使われる.一番上の歯車が脱進器である.
モデル
解析
Wolfram言語を使った解析
Wolfram言語を使ってカスタムプロットを作成したり,性能の測定を計算したり,パラメータスイープを実行したりできます.
摩擦のない理想的な振り子の場合,1周期の長さを決めるのは振り子の軸の長さだけです.しかし,摩擦があるとエネルギーが摩擦に奪われるため時間の経過とともに1周期の長さが短くなります.ここで振り子の質量が重要になります.なぜならそれがシステムの初期エネルギーを決定するからです.システムに供給されるエネルギーの大きさは錘の質量と脱進器の歯の角度によって決まります.エネルギーが一定に保たれるように,これらのパラメータはすべてバランスが取れていなければなりません.僅かな変動でも時計はすぐに不正確になります.

バランスの取れたシステム.ここでは30グラムの錘(青)がずっと一定の振幅および位相で揺れ続ける.これより軽いと,周波数と振幅が急激に低下する.

バランスの取れたシステムと取れていないシステムの差は,一日で3456秒,約1時間足らずにまでなる.
多体のアニメーション
Modelica MultiBodyライブラリを使うと,使用されるモデルを自動の3Dアニメーションで直接可視化することができます.これ使うと,振りの運動,落ちてくる錘,カチカチと鳴る時計の針の間の関係が調べられます.
自動的に生成された多体のアニメーション
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