拡張された行列分布の推定
バージョン11では,ランダム行列が導入され,これはこれまでの確率と統計のフレームワークに強固に統合されていた.ランダム行列は,統計,物理,純粋数学,生物,金融等,驚くほどさまざまな分野で使用が可能である.バージョン12では,MatrixNormalDistribution,MatrixTDistribution,WishartMatrixDistribution,InverseWishartMatrixDistributionの推定を含むランダム行列が完全にサポートされるようになった.
WishartMatrixDistribution[ν, Σ]は,自由度パラメータ が整数であるときの共分散行列 を含む,多変量ガウス分布の 個の独立した実現からの標本共分散の分布である.
MultinormalDistributionからの長さ n の m 個のランダムな標本のシミュレーションを行う.
それぞれのリストについて標本共分散を計算する.
結果は n 個の行列のリストである.
WishartMatrixDistributionを共分散標本にフィットさせる.
フィットした分布の平均を,標本共分散の平均と比べる.
分散を比べる.
WishartMatrixDistribution[ν, Σ]としての分布に従う行列 について,逆行列 はInverseWishartMatrixDistribution[ν, Σ-1]としての分布に従う.
標本共分散の逆行列を計算し,InverseWishartMatrixDistributionをフィットさせる.
推定Wishart行列分布の共分散行列が,逆Wishartモデルの逆行列であるかどうかをチェックする.